【新刊】手仕事の医療 評伝 石原寿郎
タイトル:
手仕事の医療
評伝 石原寿郎
秋元秀俊 著
「歯は、目で見て、自分で治して、そうして、効果がわかる。」石原は自分に言い聞かせるように訥々と、歯科医師への転身の理由をそう語った。そして、臨床を真正面に据えながら、教育者として、学者として、清明な論理をもって実証にこだわり続けた。歯科は、ここに初めて「ものがたり」を得た。これはノンフィクションであり、証言集であり、歯科医学の現代史である。石原寿郎という臨床を愛した孤高の学者の仕事と彼をめぐる状況を、歴史的資料によって跡づけ、丁寧に紡いだ。
目次
一.転向
二.粉砕学
三.ギージーの嘘、
四.鋳造冠
五.銅合金
六.中心感染
七.ゆきづまり
八.ナソロジー
九.下顎運動
十.運動軸
十一.渡欧
十二.種々相
十三.熱病
十四.責任
著者について——秋元秀俊
1952年生。大学卒業後、家具職人見習いをはじめいくつかの職を経て人文図書の編集を経験し、クインテッセンス出版の歯科臨床医向け月刊誌創刊に携わり、同誌編集責任者として、心内膜炎と口腔内細菌、患者のナラティブ、腸内細菌と口腔内細菌の生態学、初期齲蝕の再石灰化、臨床と基礎(病理)との接点など、時代を先取りした企画で話題となる。1988 年モリムラなどと連携し、スウェーデンからP. アクセルソンを招いて、従来予防は公衆衛生とされていたところに、歯科医院での予防歯科を日本に導入。1991年10月に独立し、1992年10月有限会社秋編集事務所設立。多数の出版企画・製作とともに毎日ライフ、家庭画報などに歯科医療関連記事を連載。1994年熊谷崇と共著で『<歯科>本音の治療がわかる本』(法研)より出版、改訂新版を合わせて13年間21刷のロングセラーとなる。1998年日本ヘルスケア歯科研究会の設立に参画。2000年に歯科を「生活の医療」と位置づける論考を発表(後に日本歯科医師会大久保執行部のキーコンセプトとなる)。 著書:上記のほか『良い歯医者と治療がわかる本』(1998)、『ドイツに見る歯科医院経営の未来形』(2001)、共著に『医療事故の責任』(2007)、『院内事故調査の手引き』(2009)、『3・11 の記録 震災が問いかけるコミュニティの医療』(2012)、『院内事故調査 実践マニュアル』(2015)など